ロータリー米山記念奨学会が、外国人留学生に奨学金を支給することにより国際理解と親善に深く寄与してきたことは、大いに評価するところです。
一方では、彼らの母国との多重支援が多いのではないかとか、帰国したらなしのつぶて、という声も耳にしますが、そういった問題を、ここで取り上げるつもりもありません。
そうではなく、わが国経済の目を覆いたくなるような衰退により、進学の道を閉ざされる優秀な若者たちが急増していることに、ロータリークラブとして目を向けてはどうでしょうか。わが国の未来を背負って立つ若人の芽を摘むことが、本人のみならず、日本の社会の今後にどれくらいのダメージを与えることでしょう。
ここに、大英断をもって奨学金の支給対象者の半分を、わが国の困っている優秀な人(未来のロータリアンかも)に与えるのはどうでしょう。ポイントは4つです。
少額でも(1)四年間(大学在籍期間)支給する、(2)できるだけ多くの人に支給する、(3)理工・医・薬学部進学者とする、(4)特別に優秀な学生は大学院まで支給する。
見識あるロータリアンの皆さん、今日直面している社会の現状を正しく理解し、勇気をもったチェンジをしようではありませんか。日本の回復、即、国際ロータリーの発展につながり、国内はもとより国際社会から感謝と尊敬の念で見られるでしょう。
数十年後、このような提案が笑い話になり、また昔のように外国人だけにしようという提案が出るような日本の国力再生を、心から願っています。(第2560地区
新潟県 日本画家)
ロータリーの友 2010年12月号より