「ロータリー」ならびに「ロータリーの友」について感じたこと、建設的な意見、疑問・質問、問題提起など。また、本欄に掲載の意見・質問に対する、回答・意見など。

             
 
 米山記念奨学事業の今後

橋本紀ノ川 
大 沼 郁 夫
 
 

 国内のロータリー活動の中でも、1952年、日本のロータリーの創始者・米山梅吉氏をたたえ東京ロータリークラブによって始められた米山記念奨学事業は、輝かしい実績を重ねてきました。国際親善、特に戦争にかかわって迷惑をかけたアジア諸国の留学生の支援に責献しています。その功績は『ロータリーの友』連載の「よねやまだより」でも紹介されています。現在、立派に成長した元奨学生(米山学友)たちが、国内外で活躍していることは非常にうれしいことです。
 近年、日本経済のあり方は大きく変わりました。長い間、生産輸出国として世界に君臨したわが国が、アジア諸国での生産に大きく移行したからです。加えて、アメリカ経済にもかげりが見え始めました。両国は生産国ではなく消費国に変わった、というのが実情でしょうか。
 最近の日本の若者の2人に1人が、海外で働きたいとは思っていない、という記事を目にしました。リスクが高い、能力に自信がない、などが理由のようです。一方、お隣・韓国の若者は積極的に海外に打って出るタイプが多いとも聞きました。常に経済の変動が激しい韓国の若者は、自分の活力を海外に向ける心の準備ができているのかもしれません。
 わが国の事情も、韓国とあまり変わらないと思います。長い間の安定した経済に、慣れてしまったのかもしれません。今後、ますます消費国となっていくとしたら、日本が心配でなりません。
 ロータリーの基本方針の中で青少年育成が大きく取り上げられました。これは大きな意義がある、と思います。
 今後、米山記念奨学事業では、海外からの留学生の受け入れよりも、日本の若者を海外に留学させる方向へ転換するべきではないかと思うのですが、皆さまの意見はいかがでしょうか。 (第2640地区 和歌山県 工業材料配布)

ロータリーの友 2010年12月号より